12人が本棚に入れています
本棚に追加
そうだ――
何度目かの冬を越したある日、僕は彼女の留守中につい一人で散歩に出掛けていたんだ。
もうすぐ春の訪れとはいえ、まだまだ外は寒かった。
雲行きも怪しいし、早く帰ろうと思ったんだ。
その内降りだして、それが予想以上の大雨で――
僕は走った。彼女の待つ下へ。
でも途中、光が見えて水飛沫がかかったんだ。
何かがぶつかる感じ、それはとても重い。
瓦礫の下で泥だらけだ。
あれ?
その後の記憶が思い出せないのはどうして?
早く彼女の下へ帰らなきゃならないのに――
最初のコメントを投稿しよう!