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どの皇女も皇子も皆等しく可愛い。だけれど、末子であるマリア・アントニアはとりわけ可愛い。
あの子には心から幸せになって欲しい。本当は政略結婚などではなく恋をして、心から愛する男と一緒になって普通の幸せな生活を送って欲しい。
でも…、とマリア・テレジアは一人の母親から、一国の女帝の顔に戻る。この国。オーストリアを守るためには、マリア・アントニアにはどうしてもフランスに嫁いでもらわなくてはならない。
この国の民全員が、私の子供なのだから…。
マリア・テレジアは気持ちを切り替え、フランス王への手紙の返事を書くため、ペンを握る。
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