小さな貴婦人

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「マリア・アントニア様!今日という今日はお時間通りにフランス語のお勉強をなさって下さいませ!」  教育係に強く言われ、マリア・アントニアはしぶしぶといった表情をすると、小首をかしげ何かを少し考える素振りを見せた。 「マリア・アントニア様!聞いておいでですか!?」 「…ねぇ、今日だけ黙っていてくださったなら明日は今までの分カを入れて勉強に励みます。どうかお願い。こんなことを頼めるのは貴女だけです」  大きな青い瞳を潤ませ、じっと相手を見つめて懇願するその愛らしさ。
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