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「しかし、アントニア様には人を惹き付ける魅力がございます。お年を経て大人になられれば、年相応の落ち着きや気品も出てくるようになるのではないでしょうか？」
メルシ一伯の言葉に、マリア・テレジアは溜め息をつき
「それだけで一国の王妃は務まらないのですよ。華美とは真逆の道に自らを律するカ、誘惑に負けぬ忍耐カ、そして人を見る目がなくては」
と言い、遠い目をした。
「貴族の妻と、王の妻では立場も役目も運命も…全て違うのです」
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