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桜の花も散ってじめじめする梅雨の時季。
そんな季節外れに転校生がやって来た。
外は雨が降ってるにも関わらず、その転校生は傘もささずに登校してきたのであった。
回りは好奇心の目で転校生を見る。
しかし転校生はそれを気にせず、職員室に入っていった。
教室は今朝の転校生の話で一杯だった。
チャイムがなって、先生がドアから入ってきたとたんに生徒は静まり、自分の席へと帰っていく。
そんな生徒を僕は本を読みながら鼻で笑った。
生徒は黙ったまま先生の話を聞いている。
きっと、頭は今朝の転校生で埋っているんだろうなと僕は思った。
先生がドアを見つめ、入ってこいと言った。
ガラッ…
ドアが開く音がしてふと、顔を本から離す、
「…っ」
僕は息を飲んだ…。
貞子並みの怖さがある、人物が立っていたからである。
たぶん今朝、傘もささずに登校して濡れたから、先生もどうしようもなかったんだと思う。
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