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………。
教室は沈黙であった。
そんな空気を破ったのは先生だった。
「自己紹介してくれ」
「あぁ、そうだったね、
あまりにもみんなが静かすぎて寝てるのかと勘違いしたよ」
それは、お前が怖すぎて
声がでなかったんだよ…。
一人、心の中でツッコミを入れる僕。
いや、他の生徒も思っていたのかも知れない。
「橘 凜(タチバナ リン)
よろしくお願いいたします」
ごくありきたりな自己紹介だがハスキーボイスの橘が言うと、すこしドキッとしてしまう。
たぶん、全身雨で濡れてなかったら
綺麗な黒髪に、色白な肌、大きな瞳に、スラッと伸びた細長い手足。
モデルをやってそうな体つきだから、たぶんこれからの学校生活はモテると思うな。
「席は、小泉の隣だ。
何かわからないことがあったら小泉に聞け」
僕は物凄く、ゲッ…、と思った。
小泉と言う名はこの教室で、僕しかいないからだ。
そっと、隣を見ると、僕の反対側の肘を立てて頭を支えていた。
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