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貞子並みの長い髪は濡れていて所々滴が垂れて、少し寒そうにも見える。
「…ッヒックシュン!!」
「!?」
橘がくしゃみをして、僕はビックリした。
他の生徒も橘の方をチラチラ見てる。
「ぁー、さむ…」
そりゃ、寒いだろ。
下手したら風邪引く…。
僕は、今まで読んでいた本を閉じて机の上におき、鞄の中からタオルと体操服を出した。
そして、
「良かったら、使う?」
と、僕はタオルと体操服を渡した。
しかし、橘はそれを受け取ろうとはしない。
「……、少年よ、あたしにそんなものをつかえというのか?」
受け取らない+文句まで言ってきやがった…。
「君のタオルと体操服は清潔なのかい?」
「…昨日洗ったばっかりだから、綺麗な方だと思うけど?」
橘の言葉使いが妙に変だ。
まるで、橘はどっかのお偉いさんみたいな話し方をする。
そんな僕たちの事をヒヤヒヤ表情で見てくる先生と、生徒。
僕は橘にキレる寸前。
だって、自分のものはとても汚いと、言われているようなものだ。
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