不幸な任務

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「あっ、そうだった! 学園長からの連絡で、テオ・ワグナスはこのホームルームの後で学園長室に来るように、だそうだ。まだ自己紹介していないから顔が分からんが必ず行くように」  クラスが少しザワザワし始めた。せっかちな生徒は「どいつだ」と見回す。 (俺か? 学園長がいったい何のようだ? まだ問題行動を起こした覚えはないが)  当の本人もその理由が分からない。 「静かに! とにかく伝えたからな」  キーンコーンカーンコーンとチャイムが鳴る。最初のホームルームの時間が終わったようだ。 「ちっ、このまま自己紹介といきたいところだったが、お前らが騒ぐから時間がなくなってしまった。とりあえずこれにて終了!解散!今日はこれで帰っていいぞ!」 (((いや、アンタのせいだろ!)))  時間がなくなった責任を俺たちに押しつけてジャックマン先生は早々に立ち去ってしまった  この瞬間、クラスメイト達の心が一つになった気がした。
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