不幸な任務

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 入学式を終え、生徒たちは自分の教室へと向かっていた。その中には先程の少年、テオ・ワグナスも混じっており、何とも気怠そうな表情でその流れに従っていた。  新入生たちはこれから始まる新生活に期待を膨らませ、実にワクワクとした表情をしているが、テオは違った。 (早く帰りたい…)  彼は新生活に期待を膨らませることなどなかった。というのも今まで同世代の友達、いや友達すらいなかったため、他人とコミュニケーションをとるのが苦手だからだ。  教室に入るとすぐに彼は机に突っ伏した。  周りとの繋がりを遮断。こうすれば周りの奴らも容易には話しかけて来れないだろう、という甘い考え。  それはいとも簡単に打ち破られる。
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