不幸な任務

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「皆さん入学おめでとう。私が担任のジャン・ジャックマンだ。みんな期待と不安を胸に抱いて今日という日を迎えたと思う。そもそも……」  どうやらこの哀愁漂う男が担任のようだった。中肉中背、冴えない顔立ち。既に生徒の一部は「この人が担任で大丈夫なのか」と思い始めていた。  また、唯一期待と不安を胸に抱いていないテオは、担任の長話に早速眠くなってきていた。 (しかし目をつけられるのは面倒だ)  そう思って必死に睡魔と戦っていた。  その三十分後くらいだろうか、長話にようやく終わりが見え、テオと睡魔の戦いが佳境に入ったところで担任はこう言った。
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