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「きゃーっ! もう、おにーちゃんったら! そんなに何回も言うなんて……私が悶え死んじゃったらどうしてくれるのよっ!」
「お前が何回も言わせたんだろ!?」
片方のツインテールを握り締めてぶんぶんと回している幸に向かって怒声を放つ翔太。
「てか、さり気無くメタな発言してんじゃねえよ!」
「きゃーっ! きゃーっ、きゃーっ!」
「うるさいな! それからツインテール振り回すの止めろ!」
「ちょっと? 朝から何騒いでるの?」
開け放たれた部屋の入り口の前に立ってそんな疑問の声を上げるのは翔太の母である佐和子だった。
「あっ、佐和子さん。聞いて下さいよ、おにーちゃんが私の制服姿を見て『物凄く可愛いな、結婚したくらいだぜ』って言ってくれたんですよ!」
「あら、そうなの?」
「言ってねえよ! 堂々と嘘を言ってのけるな!」
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