01.聖華学園入学式

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「でも、褒めてくれたのは本当じゃん?」 「それだってほとんど無理矢理だったろうが」 「あら、無理矢理言わせたの? 駄目よ、幸ちゃん。無理矢理だなんて。そういう事は誰かが自然に言ってくれるのを待たないと」 「そうだな。母さんの言う通りだ」 「そうよ。ところで翔太、私も入学式に合わせて正装してみたんだけど似合ってる?」 「母さんアンタもか!」 その場にてポーズを取る実の母親を指差して叫ぶ翔太。 「さて、と。お約束の会話もした所で」 「お約束とか言うな」 「行きましょうか。入学式は……えっと、9時からだっけ?」 「ああ、確かそれくらいからだったはず」 「でも良かったの?」 腰に両手を当てて幸を見下ろす佐和子。
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