291人が本棚に入れています
本棚に追加
「でも、褒めてくれたのは本当じゃん?」
「それだってほとんど無理矢理だったろうが」
「あら、無理矢理言わせたの? 駄目よ、幸ちゃん。無理矢理だなんて。そういう事は誰かが自然に言ってくれるのを待たないと」
「そうだな。母さんの言う通りだ」
「そうよ。ところで翔太、私も入学式に合わせて正装してみたんだけど似合ってる?」
「母さんアンタもか!」
その場にてポーズを取る実の母親を指差して叫ぶ翔太。
「さて、と。お約束の会話もした所で」
「お約束とか言うな」
「行きましょうか。入学式は……えっと、9時からだっけ?」
「ああ、確かそれくらいからだったはず」
「でも良かったの?」
腰に両手を当てて幸を見下ろす佐和子。
最初のコメントを投稿しよう!