291人が本棚に入れています
本棚に追加
「亮祐さん……」
「おう、佐和子。お前からも翔太に何か一言言ってやってくれ」
「……………………」
「あれ、何も言ってくれないの? ていうかその俺に向けられた憐れむような視線は一体何?」
「さあ、翔太に幸ちゃん。行きましょうか」
「何か言えよ! おーい、佐和子! おーい!」
後方から聞こえてくる亮祐の声を背に、背中を佐和子に押されるがまま家を出る翔太。
「……これで家族のバランスが取れてるんだから不思議なものだよなぁ」
今の、そして今日までの両親の会話のやりとりを思い出しながら呆れ顔でそんな事を呟く翔太なのであった。
◆ ◆ ◆
最初のコメントを投稿しよう!