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「そんな余裕の言葉を言っていられるのも今の内よ。残念だけど今日は亮祐さんと二人で夕飯はカップラーメンを食べてもらう事になりそうね。何故なら、私は今日出来た友達と皆で富士山に登っておにぎりを食べてくるから」
「止めとけ。4月の富士山に登るのは自殺行為と言われているぞ」
「ええっ!? そうなの!?」
「ていうか、そもそも山開きが7月らしいから山小屋すら開いてないし、遭難するのがオチだと思うぞ?」
「そっか……うん、そうだよね」
「うーん」とそれから一度唸った佐和子は眉間の辺りを指で押さえて何か思考を巡らせると真剣な表情で翔太を再び振り仰いで。
「……ねえ、翔太」
「どうした、母さん」
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