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「ヒートテック着て行ったら大丈夫かな?」
「行かないって選択肢は!? てかヒートテックくらいで寒さを防げる訳ないだろ! 冬の富士山舐めんな!」
「翔太こそヒートテックを舐めない方が良いわよ。あれはね、ユニクロが開発した素晴らしい暖房アイテムなのよ。極寒の冬に震える私達市民のためにユニクロが生成した究極の発明品なのよ! ありがとう、ヒートテック。ああ、ありがとう、ヒートテック」
「母さんはユニクロの回し者なのか?」
「ちなみに、ヒートテックには吸熱発熱繊維という特殊な繊維が使われていて――」
「吸湿発熱繊維な」
その翔太の一言でドヤ顔で語っていた佐和子の動きがピタリと停止する。その後しばらく待っても佐和子が動き出さなかったので、翔太はそのまま体育館を一人後にした。
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