01.聖華学園入学式

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体育館を出て、校舎の中を通り、昇降口まで出た所で翔太は屋根を支えている柱に寄り掛かって何やら携帯電話を弄っている茉美を発見した。 「おっ、井上さんじゃないか」 「ん? おお、誰かと思えば神前君じゃないか」 翔太の声に顔を上げた茉美はそう言って携帯電話を閉じるとそれをポケットに仕舞った。 「奇遇だな、まさかこんな所で神前君と会おうとは」 「そうか? 別に今日ここで何が行われているのかを考えれば奇遇でも何でもないだろ――って、井上さんがここにいるって事はもしかして」 「まさしくその通り。優美がめでたくこの『聖華学園』に受かったんだぜぇ」 「やっぱりか。流石は優美ちゃんだな」 「ワイルドだろぉ?」 「優美ちゃんがな」
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