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「話したい事? 何だよ、それ」
「まあまあ、とりあえず歩きながら」
前方をゆらりと指差す茉美。それから、翔太と茉美は昇降口の屋根の下から出て校内を歩き出した。
「で? 話したい事って?」
「急かすねー、神前君は。まだ昇降口を旅立ってから3メートルも進んでないよ?」
「大袈裟な言い方だな。ていうか、別に急かしてるつもりはないけど……特に話題が無かったから、井上さんから何か話題を出してもらおうかなって思っただけで」
「なるほどね。それじゃあ仕方がない。『話題の宝庫』と呼ばれているこの私が神前君のために何か話題を出してやろう」
「初耳だなその二つ名。てか、別に別の話題挟まなくても最初から本題に入ればいいのに」
「まあまあ、本題に入る前につまらない話を一つ挟むのもいいじゃないか」
「そうか。つまらないのなら最初から聞く耳持たなくてもいいか?」
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