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「それじゃあ、おにーちゃんの声のままでいいから。はい、どうぞ」
「何なんだよ……似合ってるよ、幸」
「……もう一回、もう少し心を込めて」
「は? 全く……似合ってるよ、幸」
「……もう一回」
「何回言わせるつもりだよ」
「いーから。ほら、早く」
「……似合ってるよ、幸」
「…………」
三回その言葉を言った所で、幸は俯き加減のままその小柄な体を小刻みに震わせ始めた。
「? おい、幸――」
「ミョルニルハンマー!」
「へぶっ!」
幸の様子を探ろうと翔太が身を屈めた瞬間、振るわれたツインテールが翔太の頬を弾いた。
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