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5月に入り、9月に行われる世界選手権へ向け、代表合宿が始まった。
忠匡も代表合宿には参加した。
粉続が練習中に忠匡を呼んだ。
「徳山との差が出来てしまったな。」
忠匡は横目で乱取りをする徳山を見た。
「どうするんだ?オリンピックを狙うか?」
粉続の問いに、忠匡は頷いた。
「狙います!」
「正直な所、徳山で世界は取れると思ってる。それくらいの力は十分にあるよ。あいつは。そうなれば、お前の立場はきつくなる。わかるか?」
忠匡は声を発せず頷いた。
「出る試合勝つしかない。もちろん講道館杯にも出てもらう。貯金はないからな。
そして、ヨーロッパの大会で優勝し、直接対決で勝つしかない。」
忠匡は黙って頷いた。
「合宿の参加は強要しない。任せる。上谷監督と話し合え。鹿嶋大で練習するなら西丸監督に連絡しろよ。」
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