必死のファーストキス

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★ 「八千代ちゃん、八千代ちゃん……IDカード無かったらアレよ、自習室の扉が開かない以前に、塾の建物入口の扉が開かなくて、八千代ちゃんは塾の建物にすら入れないわよ」 「涼夏ちゃん! そのタウリン!」 「わお! 八千代ちゃんったら、2000ミリグラム配合ちゃん!」 「って、ボケ合ってる場合じゃないし……しくったぁー! あたし、家に戻ってIDカード取ってくるから……涼夏ちゃん、塾に先行っててねぇー!」  その言葉を残し、八千代ちゃんは自宅へと走り去ってしまったの。 「相変わらず八千代ちゃん、そそっかしくて慌てんぼさんだわ」  細く微笑みつつ、あたしは塾に行くには遠回りになる海浜公園に向かって歩き出したの。 ★
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