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また携帯が鳴る。
「もしもし、どういうつもりなの?」
<私が本気であることを見せるといったでしょう? だから爆弾で証明した。>
電話の主は、笑いながら話す。
「言っとくけど、あたしに喧嘩売って無事でいた奴なんていないよ。覚悟することね。」
<楽しみにしています。それじゃ>
「ちょっとまって、なんて呼べばいいの?」
<私のことは、シマリスとでも呼んでください>
そういうと電話は切れてしまった。
「犯人からですか?」
「うん、二日以内にアイドルの明智凛呼を暗殺するってさ。それをあたしに阻止させるっていうゲームを挑んできた」
「すぐに室長に連絡します」
そういうと林原は携帯を取り出す。
渚は、再び耳にイヤホンをつけると何事もなかったかのように、コーヒーを飲みながら携帯電話をいじり始めた。
周りでは、爆弾で大騒ぎになっているのにそれをまったく気にも留めていないようだった。
薄暗い部屋には、パソコンが置かれその前には一人の男がモニターを見ながら薄笑いを浮かべていた。
画面には、アイドルの明智凛呼の情報が事細かに記載された情報が表示されていた。
壁には、凛呼の隠し撮りをした写真が無数に貼られ、別の壁には渚の等身大のポスターが貼られていた。顔には何本ものナイフが刺さり、首には紅いペンで横一文字が引かれていた。
あまりにも異常な部屋であった。男は、モニターを見ながらぶつぶつと呟くとナイフを渚のポスターへ投げつけた。
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