プロローグ

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倒れた男を冷ややかな眼で見ると、男の体の上にボーガンを捨てる。 少女は、ポケットから携帯電話を取り出す。 「あぁ、部長? 渚です。被疑者を捕まえました。抵抗したので、いつものように懲らしめてやりましたよ。泣きながら命乞いするから笑っちゃいました」 笑いながら、渚と名乗る美少女は言う。 「大丈夫ですよ。殺してはいません。矢止めした矢で撃ったら失神しちゃいましたよ。はい。二丁目の裏路地なので一課の連中を寄こしてください。では・・。」 電話を切ると、失神している男の頭に足を乗せる。 「殺してやりたいけど、一応警官だからね。 残りの人生は刑務所でたっぷり反省するのね。クソ野郎」 そういうと男の頭を蹴る。 そうすると今度は別の場所へ電話を掛けながら歩き出す。 「店長? こないだ頼んだ服取り行きますね」 楽しそうに話しながら、歩き出してしまった。  この人物は、警視庁公安部特殊犯罪対策室に所属する警察官、紅井渚。見た目は、高校生ほどにしか見えない美少女だが、中身はドSの男である。 これは、犯罪者からは魔女と恐れ、警察内では最悪の最終兵器とあだ名される悪魔のような警察官の物語である。
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