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2015年9月4日
午前11時17分 東京港13号埠頭
車の助手席に座り、プリンを食べながら、渚は恍惚の表情を浮かべている。
「あぁ。おいぃちぃ~。やっぱし、プリンは人類が発明したモノの中で一番~♪」
二口目を食べながら、感嘆の声を上げる。
「あの警部?」
林原は、渚に声をかける。
「なぁに?」
おどけながら聞き返す。
「いや、なぁに?じゃなくて。今張り込み中なんですよ?」
「ん? だから?」
「いやいや。真面目に仕事しましょうよ。」
「いいじゃん。別にさ。薬の張り込みなんてタリィしぃ。あたしがでることでもないやん。」
そういうとまたプリンを口へ入れる。
渚と林原は、とある麻薬取引が行われるというタレこみを受けた為に東京港にあるコンテナ埠頭へと来ていた。
取引が行われる時間だというのに、売人も買い手も姿を見せないでいた。
『俺だ。柊だ。埠頭ゲートから連絡があった。黒の四駆がそちらへ向かっているそうだ。気をつけろ』
無線機から柊の声がする。
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