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「どうするべきだ? 我々は、そう公には捜査は出来ん。」
「任せておけ。悪党退治は、俺の仕事だ。アンタから貰ったこの情報に免じて動物園は俺たちが始末する。秘密主義の内調の出る幕じゃないさ」
「いいのか? その情報は、危険すぎる。動物園以上に危険な男の情報だ。死ぬぞ?」
「死なないさ。俺には世界を守るって使命がある。この男を見つけ出すまでは、絶対に死なないさ。」
半田は不敵に微笑んだ。
官僚風の男が立ち去るのを確認すると、半田は車の助手席に乗り込む。
「聞いたとおりだ」
半田は、矢田に声をかける。
「いいのか? 俺たちの目的は、教授の弟子探しだ。関係のない動物園の相手などしなくてもいいだろ?」
矢田は言う。
「そう言うなよ。動物園の連中の資料は読んだろ? あんな外道を生かしておいても目覚めが悪いだけだ。悪党には悪党に見合った地獄に送ってやるのが俺たちの仕事だ。違うか? 相棒」
「やれやれ。またお前の悪い癖だな。」
そう言うと矢田は車のエンジンをかける。
「仕方ないから。付き合ってやるか。暇つぶしにはなるだろ。ただの人間が相手でもな」
矢田はそう言いながら車を発進させた。
「流石、相棒だ。よく判ってるぜ」
楽しそうに半田は言った。
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