零感少年

6/6
前へ
/6ページ
次へ
「初めは俺らも疑問に思っていた。が、お前の話を聞いてわかった」 「え…?」 「宮地がさりげなくそういう話題や単語をだした。俺らは練習に熱中しすぎでまだ化け物に気付かなかった。が」 「ちょ、焦らさないで!?」 「緑間は違った。表情が固まった」 「え、うそ?」 真ちゃん、仲間だったの。だってそんな素振り…あ、おは朝で全部妖は祓われてるんだった。マジ緑間スゲーって思ったしね。なのに、見えてたの?いや見えるから…? 「嘘じゃない。が、緑間の表情はお前みたいな深刻な顔じゃなかった」 「平気な顔してたの?それくらいなら真ちゃんはやりそうだけど…」 「いや、ギクッとした顔をした。訳がわからんだろう」 えっ…?どういうこと?俺は思考停止した。 「真ちゃんって…何?」 一番真実を話すのがラクだと思っていた相棒が、一番怖くなった。 そして沈黙の空間を宮地の「マジかよ…!?」という仰天の声が破った。 「何かわかったみたいだな」 「行くか?高尾」 「…はい、真実を知りに」 おは朝で妖祓われてるんだったら、妖だったという最悪パターンはないだろう。まあ、真ちゃんなら妖でも悪いヤツではないだろうけどさ… 第一、赤司と中学で一緒にいたのだ。 俺はそこへ真実を掴みに向かった。 ・ ・ ・ 「宮地さん!どうしたんすか…!?」 「…あー、俺は無事だから気にすんな。」 「真ちゃんは!?」 「まあ、無事だ。いや無事だとも言いきれんが別にケガとかじゃない」 「…は?どういうこと?」 「それがそこの部屋に引きこもっちまって…俺も一瞬目にうつった気がするんだが、それを信じるわけには…」 「訳わかんねぇ…」 何が起こったってんだよ そう呟くと、扉の向こうから間違いない真ちゃんの声が聞こえた 「高尾、覚悟があるならこちらへ来い。…別に、痛い目にあったりはしないが、精神的な覚悟だ。もしかしたら、お前が求めている情報もあるかもしれない」 きっぱりと告げられた 真ちゃん、覚悟って何。何で真ちゃんの様子を見に行くのに覚悟がいるの 訳わかんねぇよ…!
/6ページ

最初のコメントを投稿しよう!

8人が本棚に入れています
本棚に追加