第1章 いつも通りの日々から

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悠斗にはこんな見たことも聴いた事も無い魔法の対処なんてわからなかった。 そもそも悠斗は知ってる魔法ですら対策が曖昧なのだ、知らない魔法をどうにかなどできるわけない。 ・・・今気づいた、悠斗は今まで魔法を相手にする時が来るのを考えた事がなかった。魔法使いなのに! くそっ!どうする?どうするのが良い? どうすれば良いかわからない、それでも何とかしたいという気持ちで光に手を伸ばした。 「っ!?兄さん!触っちゃダメです!」 真奈の声が聞こえた時には、俺はその光に触れてしまった。 言ってしまえば、あり得ない。こんな未知の物に触れるなんて中学生でもするかわからない。 光に触れた瞬間、ぐっと光に引っ張られる。 まずい、そう頭でわかっても予想もしていない展開に体が反応できず、引っ張られてしまう。 「兄さん!」 が、いち早く反応した真奈が俺の腰に抱きつき、俺の右腕の肘辺りで引き込まれるのが止まった。 「とりあえず引っ張ってみよう!」 俺たちが頷いたのを見て空が真奈の腰を掴んで合図する。 「いくよ!せーのっ!」 合図に合わせて思いっきり腕を引く、だが 「ぜんっぜん抜けない!」 抜けるどころかほんの少しも動かない、まるで腕をコンクリートで固められた様な感じだ(もちろんそんな経験はない 「 んー何で引っ張る力は強くないのに抜けないんだろう?」 確かに不思議だが、悠長に考えてる時間はない、何故か光が大きくなってるし、流石に周りの人も気づき始めている。
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