第1章 いつも通りの日々から

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「ふぁあ~、まさか僕がこんなに早く起きられるなんて思ってなかったよ」 そう言い、悠斗の前に座るまだ少し眠そうな男が父の『逢沢 直樹』、濃い蒼色の髪と眼で、寝癖が爆発した頭や現在家にずっといるニートっぷりからは想像できないが、昔はすごかったらしい。 「真奈、醤油いるか?」 「はい、ありがとうございます兄さん。」 そして、悠斗の隣で上品に朝ごはんを食べているのが、悠斗の妹の『逢沢 真奈』 悠斗や父と同じ蒼い色の髪と眼で、同じシャンプーやリンスを使ってるのに、ここまで差が出るかと思うほど綺麗なロングヘアだ。 「ごめんな真奈、ほとんど真奈の当番で朝起きるのとか家事は大変じゃないか?あと父さんの分とか」 「もう、何度も言っているじゃないですか、……もしお母さんが生きていたとしても、兄さんの分は私がやる予定だったので何も変わりませんよ。あと父さんの分はついでなので問題ありません。」 「えっ、あ、ごめん。父さんも頑張るよ……」 「ふふっ、冗談ですよ。」 母が亡くなったのは10年程前、教えても何故か家事能力が向上しない父の直樹の代わりに、真奈と俺が当番を決めて家事をしている。 食べていると父が「あっ」と顔を上げる。 「そうだ二人とも、さっき国から連絡があってね」 「えっ!じゃあついに!?」 悠斗がガタッと立ち上がる。 「ああ、まだ見習いで大変な事も多いだろうが、二人で力を合わせて頑張るんだよ」 「よし!やっとこの時がきた!」 グッとガッツポーズをする悠斗、その姿を見て真奈も微笑む。 「ふふっ兄さんったら、喜ぶ気持ちもわかりますが、そろそろ空さんが来ちゃいますよ」 「おっと、そうだった!」 空と言うのは隣に住む幼なじみで、毎朝一緒に登校するため悠斗の家に来る。 ちなみに真奈は食べるのが早い。
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