第1章 いつも通りの日々から

9/12
前へ
/45ページ
次へ
買い物も終わり帰り道、2人が楽しそうに喋っているのを見ると、仲の良い姉妹に見え・・・見えないな。(髪の色的に) 「っ!……?」 突然だった。 悠斗は何となく違和感を感じて後ろを振り返った、その時視界のはしに真奈達も振り返っているのが見えた。 振り返った先に見えたのはどこにでもある商店街の風景、客寄せの声、すれ違う人達。 そのいつもの商店街のど真ん中に光の粒子が集まっていた。 高さは大体2mくらいか?横は大人1人分くらいだろう。商店街を歩く人々は気づいておらず無意識に避けていた。 ある日「それ」を俺に教えてくれた父さん、俺はとてつもない衝撃と、言い表せない喜びを感じた。 そう、「それ」とは「魔法」のことだ。目の前にあるこの光の粒子も違いないだろう。 「兄さん」 「っ!」 真奈の声で我に返る。 周りを見ると一部の子供が気づき始めているが、大人はまだ気づいていない様子だ。 サンタがいる、将来は忍者になる等の夢を持つ子供は魔法に気づきやすく、魔法なんてあるわけないと思っている大人は気づきにくい。 しかし、子供が騒げば大人が気づくのも時間の問題だろう。 「よよよし!何とかしよう!」 にこにこしながら言う空には余裕を感じるが、ダメだ!声が震えてる! 「だけど何とかするったって・・・」 どうすれば良いんだ。 悠斗が魔法を始めて見たのは中学一年、父に教えてもらった時だ。それ以外は真奈と空と自分のを少しだ。 「そうだ空!お前先輩なんだろ?せめて対処法だけでもわかれば」 「えへへ、実は、あたし入ったの昨日なんだ」 「・・・」 アテにならないとかそんな事を思う程悠斗に余裕はなかった、早く何とかしなければという考えでいっぱいだった。
/45ページ

最初のコメントを投稿しよう!

15人が本棚に入れています
本棚に追加