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ボクは今、スペイン料理の店に来ている。自動車学校からの帰りに迎えに来ていた両親の車に誘拐された。
あれ、言葉可笑しいね。いや、実際そうだもの。
妹、前の席にいたから髪なでていた。さらさらでさわり心地抜群だ。
疲れてるから、途中で寝る自信があるんだ。スペイン料理も久しぶりだけど家で寝たい気分なのだ。
ボクはあれから、自動車学校で助けてくれたはがねを思い出す。
あんな可愛い女の子ははじめてだ。
もういちど呟く。
黒鉄はがね。
脳内には、黒鉄はがねの名前がなんかいもリピートされ、ボクの心は温かい気持ちになれた。
また、会えないかなって思う。
ボクは女の子なのに、女の子らしいはがねに恋したらしい。
前にも似たような体験したことあるんだ。
男だけれどね………。
「寝たいのに、まだスペイン料理のみせから帰れない……」
両親は職場のお姉さんと話しまくっている。妹はゲームぞっこん。
ボクは、ボッチ。
ボッチって至高なのだ。
ボッチは、携帯いじりながら深い眠りについたのである。
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