魔王の冒険~勇者の城~

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南地区A-26 インフォメーションターミナル前 「....入れないの?」 「申し訳ありません」 入口の係員的なお姉さんに止められていた 「はぁ... なんで入れないの?」 「あなたはビギンズシティの 【メンバーズ】に入っておりませんので、 インフォメーションターミナルに入ることはできません 入口で登録なさいませんでしたか?」 (チッ、あのクソ門番め) 凄まじい八つ当たり的な不満を押さえつける 「メンバーズってなに? 俺、なんか入れちゃったんだけど」 「メンバーズとはこの街での身分を証明するためのものです それがなければ普通は街には入れません... これなんですが」 そういって係員さんはカードのようなものを見せる 「ここに自分の 経歴、名前、年齢、性別、所属 そしてランクが記されます」 (ランク?なんだそりゃ ...あんまり聞きすぎると変に思うよな) 「なるほど、それで、どこで登録できる?」 「初めてこの街に来た方なら インフォメーションターミナルで登録できます」 「え?マジで? お願いできますか?」 「はい、わかりました 名前と、年齢、所属を教えてください」 「えっと、 黒谷恭弥、17歳、所属なし で、いいのかな?」 「えっ? ...所属ないんですか?」 かなり驚かれたようだ 「なにか?」 「え!?いえいえ! な、なんでもないんです! ごめんなさいっ!」 (なぜそんなにあわてる? 所属ってなんなんだ? チッ、知らないってのは不便だな) 「ええっと... あの...」 「なにか?」 かなり聞きづらいような感じでおどおどしている (あぁイライラする...) 「あなたに関するデータが1つもありません...」 当たり前だ 彼は、数時間前この世界に来たばかりなのだから 「その、メンバーズ登録していいものなのか その、あたしでは、えっと決めかねる、というか...」 バンッ!! 「ひっ!」 机を叩いた 黒谷の表情は依然として無表情だが その眼からは、恐怖と深い闇を思わせる 「...どーでもいいから 早くつくれ... 消し飛ばすぞ...」 「は、はい! 申し訳ありません!!」 係員からカードが渡される 名前、年齢、性別しか書いていない 「入るからね.......」 「はい....ごゆっくりどうぞ...」 ゆっくりと歩いていく彼を 彼女は震えながらで見つめていた まるで、 魔王を見るような眼で
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