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「何じゃないだろ、帰ってくるの遅いじゃないか」
チラッと時計を見ると針が指すのはラッキーセブン。
「いや、…まだ7時じゃん」
「女の子一人で7時は危ないだろう?」
どういう基準か全くもって分からないけど、お兄ちゃんはとにかく過保護だ。
お母さんがモデルとして働いていたせいもあってか、子供のころ少しさみしい思いをした私はそれはそれはお兄ちゃんっ子だった。
お兄ちゃんも私を溺愛していて兄弟仲がいいのはいいことだとは思うけど…
「…お兄ちゃん…それ世間ではウザいって言うんだよ?」
「なっ、なにがウザイだよ!
俺は乃亜が心配で…」
「うん、だから私はウザくはないけど…」
なんだかんだで私もブラコンなのだきっと。
「いやでも、7時は大丈夫だよ」
「…それ以上遅くならないようにしろよ?」
心配されて嫌な気はしない。
なんだかシュンとしてしまったお兄ちゃんが少し可愛く見えた。
「うん、気をつける」
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