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川д川
川д川「春が…来たわぁ」
ひらひらひらひら。
澄みきった青にいくつもの
薄紅の花弁が舞い踊る。
上を見たままでいると
目がちかちかと眩むほど
そのコントラストは美しかった。
が。
川д川「憂鬱すぎて泣きたくなるわーぁ」
美しいのは目に見える部分だけ。
川д川「桜がなんぼのもんじゃい!新学期がなんぼのもんじゃい!学校いきたくないんじゃい!」
私にとっては
嫌な時期の象徴でしかない。
山村貞子、17歳。
幽鬼のように白い肌、長い髪。
折れてしまいそうな四肢。
見れば十人中十人が
病弱すぎると思うであろう容姿は
学校という集団の中で浮いていた。
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