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撫子さんに教えながら、と言っても教える事は殆どなくて、主に引き継ぎ。
出産の為に出れなくなってから増えた仕事もいくつか有ったらしいけど、一回説明をしたら私の下手な説明でも理解してくれるし。
いつもより時間が掛かると思ってたのに、随分とあっさり終わった。
仕事の飲み込みは早い、要領も良い――天は二物を与える、ってホントだよな、なんて思いながらパソコンと向かい合う彼女の横顔を見る。
「これで大丈夫?」
「はい。……あ、そろそろ十二時――」
「雪乃ちゃんにまで時間気にさせちゃって、ごめんね」
娘さんを幼稚園に預けている時間で、という事なので、いつもより余計に時計を気にしながら。
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