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眉間に皺を寄せて、難しそうな顔をしている先輩を横目に、フィルターに粉をセットしながら。
「ま、幸せだろうな……」
「さっきから表情と言ってることが全く噛み合ってないんですけど」
会話は噛み合っているような、噛み合っていないような。
普段から先輩と喋ってる時はこんな感じだけど、今日はそれが酷いというか。
「白井の手元、真剣に見てるから」
「何ですか、それ」
「これからコーヒー飲むにも、白井に易々と頼む訳にはいかなくなるだろ？ だから、どうすればあの味で淹れれるのか、と」
そんなことで――気にしてくれるのは有難いかもしれないけど、これからは今まで以上に迷惑掛けるだろうし、コーヒーを淹れるくらい何て事無い。
粉と水をセットして、待つだけだし。
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