Cyan

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 確かに、隣には先輩が居てくれる。 考えている程、アウェーな雰囲気じゃない事を祈りつつ、約束の時間に向かって一秒一秒、ゆっくりと確実に時を刻んでいる時計に目をやる。 「早めに出ないと――」 「いくら何でもまだ早いから。一時間以上あるぞ?」 「そ……そうですよね」  面接の日も時計を見ながらソワソワしてたっけ。 数年経ってるのに、それなりに社会人に成ってたはずなのに……進歩がない。  最近は事務を撫子さんが主にやってくれてて、私は今日からの仕事の下地作り ――というよりも、基礎の勉強。 先輩のアシスタントに付いて、他の仕事の様子を見てたり、実際に手伝ったり。
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