Blue

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 朝、起きた時には彼――黒岩省吾(くろいわ・しょうご)は、既に家を出ていた。 いつもなら私のほうが早く家を出るのに、珍しい。 付き合い始めてから、もうそろそろ3年が経つ。 お互いに仕事が忙しく会う時間も少ないため、こうして私の家よりも会社から程近い彼の家に泊まることも少なくない。 むしろ最近では、この家にいる時間の方が長くなっている。  私――白井雪乃(しらい・ゆきの)は半分寝ぼけた頭のまま、日課である朝のコーヒーの為にお湯を沸かす。 とは言っても、インスタントなので、粉と砂糖を溶かすだけ。 あとはたっぷりの牛乳を注ぐ。 朝食はこれだけ。
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