ぷろろ~ぐ

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超能力が使えてから数週間後に事態は変わる。 ある日から朝起きる度に、俺にメールが届いているのだ。メールアドレスはあの時の同じ知らないメールアドレスだった。 メールの内容は数字が書いてあった。例えば 『6回頑張ってね』 数字は日によって変わる。 この数字の回数だけ、力を使って人助けをしろという事なのだ。 初めてこのメールを貰った俺はそんな事分かる訳もなく、このメールの内容、依頼に失敗した。 6回以上力を使い、人を助けなかった罰だろう。 その日の夜は体中が謎の激痛で眠れなかったのを今でもしっかり覚えている。 しかし、朝になると痛みなんて初めから無かったかのように無くなるのだ。 体に異常は見当たらず、熱も平熱。病院に行ってみても問題なし。 唯一眠気がヤバかったぐらいだった。 因みにその日もメールが届いており 『3回 ちゃんとやってね』 だった。 その後も何度か同じ経験をして、メールの意味に気付いた俺はそれを解決する事が出来たが、気付くまでの罰が苦痛だった。 他には、力のランダム発動。 元々100%力をコントロール出来ている訳ではないが、能力のどれかが俺の意思とは無関係に勝手に発動する。 超能力は便利かもしれないが、コントロール出来ない力は厄介でしかない。 他人の心を勝手に覗き見たり、心を読んでしまう事により相手の負の感情を読み取ってしまう事も決して良い気持ちがしない。 「世の中には知らない方が良い事もある」 あの言葉は人の心の事を言っているだと俺は学んだ。 1人だけの心を読もうとしても、同時に近くにいる人の心をランダムに複数読みとってしまうのもまた扱いづらい。 未来予知においても、起こることが分かっていても何も出来なかった時など無償に罪悪感に襲われる。 決して俺が悪い訳ではないのだが、それでも見ている事しか出来ないのはつらい。 最後に超能力を使う度に対価として、腹が減る。 これは能力の無差別発動にも適用される為、非常に面倒臭い。 一見大した事ないように感じるが、これがまた地味にウザい。 過去に空腹状態の時に、超能力が勝手に発動したせいで、あまりの空腹により倒れた事がある。 倒れた理由が「腹が減って動けない」 自分自身の事だが、思わず「漫画か!」とツッコみたくなる。そして恥ずかしい。 その日以降俺は飴とチョコを携帯するようになった。
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