階段には気を付けて

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そう、美術の選択授業に。 美術室に向かうルートの中で階段を上り、俺が貼った新聞部のポスターを貼った場所の階段には心当たりが1つしかない。 2階にある第2美術室に向かう階段だ。 「すまない!急いでるから道を空けてくれ!!」 場所を特定出来た為、俺は更に走るスピードを上げる。 校舎に入り上履きに履き替える事無く、土足で校舎に足を入れる。 人命第一、もし後で面倒な追求が来てもアリムに全部丸投げすれば良いのだ。 「すまない!廊下を空けてくれ!」 再び大きな声で呼びかけ、廊下を堂々と全力で走る。 「コラ~!廊下を走るなぁー!!皆夢ー!!」 知り合いの声が聞こえた気もしなくもないが、俺は足を止めない。 後ろから「無視かー!!」と言う叫び声が聞こえた。 ・・・これも後でアリムに押し付けておこう。 走った甲斐があり、数分で目的の階段を見つけた。 特に階段の周りに変わった騒ぎは起こってない。 「間に合ったか!?」 そのまま階段を駆け上り、階段のUターンの所で階段を見上げる。 其処には段ボールを抱えた、茶髪でポニーテールの女子生徒が階段を上っていた。 「とまっ――!!」 「止まってくれ」 そう言おうとした瞬間に女子生徒と男子生徒がぶつかり、女子生徒の重心が後ろに倒れる。 「――っ!!!?」 階段にダイブするかの様な勢いで瞬時に階段を上がり、体を限界まで伸ばし両手で女子生徒の肩を支え受け止める――事は出来ず、女子生徒を受けとめきれず、俺も勢いに負け後ろの方にバランスを崩す。
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