147人が本棚に入れています
本棚に追加
「あはは、二人とも仲良しだなあ」
セクハラ発言連発の蓮華と、本気で嫌そう顔をしているラキ。決して微笑ましいとは言えないやりとりに、リナリアは的外れな感想を漏らす。
「いやあ、それほどでも」
「仲良くなんかねえし!」
「いたいっ! 暴力反対!」
まったくもって正反対。しかし、ある意味では息の合った掛け合い。下らない冗談にも律儀に突っ込む。
たまに本気でスネを蹴ってくるのが恐いが。
蹴飛ばされたスネをさすりながら、そういえばとラキを見る。
「あれ、そういやあオレの天使とババアは? 一緒じゃあないのか? 昨日はババアの部屋に泊まったんだろ」
「天使て……。いろはとさくらさんならもうすぐ来るよ。途中でさくらさんが忘れ物に気づいてな、いろはと取りに戻ってるんだ。だから先にここまで来たんだ。そしたらおまえらが抱き合う寸前だったんだよ。なに、ホモなの?」
さりげなくスカートを押さえ、下着を隠す仕草にダメージ1。ホモ疑惑に追加ダメージ50。
「違う、オレはホモじゃない! オレが好きなのはアララギちゃんを含む女の子だけだ。男なんかむしろ大嫌いだ!」
「さりげなく告白すんな、キモいから。とにかく行くぞ。遅刻はゴメンだからな」
それだけ言ってラキは歩き始めた。
「えー、いろはに会えないなら帰ろっかなー」
「放課後には会えるでしょ? ほら、行くよ」
引き返そうとした蓮華の腕を、リナリアががっしりと掴んで連れ戻す。
最初のコメントを投稿しよう!