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結局引き擦られるまま、三人で学校に向かうことになった。
◇
「おはよう、美少女達。今日のぱんつは何色かな?」
「あ、リナリアくんオハヨー」
「リナリアくんおはよう!」
「おはおっはー!」
「あ、うん。みんなおはよう」
「はい傷付いたー。あまりの見事なスルーに乱堂さんは傷付いたー」
「そんなバカなー」
「またまたご冗談をっ」
「あはは、ウソばっかりー」
「なんなの? オレのメンタルに対するキミ達の絶対的信頼はなんなの?」
教室に入ってクラスメイト達と挨拶をかわす。ラキは中等部――この学園は初等部、中等部、高等部の三つがある――なので、下駄箱の時点で別れている。
蓮華の席は窓際の最前列。その後ろはリナリアだ。リナリアはすでに席に着いて、一限目の授業の用意を始めている。
蓮華も鞄を横に掛けて着席。机の上にノートPCを開いて起動する。
デスクトップの壁紙は可愛らしい美少女のイラストを設定している。これは蓮華の好きなアニメのキャラクターだ。
今蓮華が一番ハマっているアニメで、フィギュアやDVDやポスターなどのグッズはいくつも揃えている。
壁紙を覗き見た学生が、オタクであることをバカにしてきたことがあった。
しかしどれだけこのアニメが素晴らしいかを語ってやると、それ以来話しかけてこなくなったのだ。
謎である。
「さてと……」
PCの側面にデータ通信用の端末を挿し込みブラウザを立ち上げる。
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