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夢を見た…。
どこか哀しくて、憎くて、愛しくて、そんな想いに潰されながら泣く"俺"を。
"俺"は何かを抱きしめてた。
何も覚えがない。けど、身体がどこかで覚えてる。
きっと大切なものだった。
そんな感じ。
………?誰かが俺に触れてる?暖かい手の温もり…。
懐かしい桜の薫りだ…。
頬が濡れた感触がして目を開けた―――
見慣れた白い天井。
薬品のにおい。握られた……手…?
「あ…!!良かった、目が覚めたんだね!」
横を向くと、さっきのヤツがいる。
確か俺は…気を失って?
「身体、だるくない?ここは保健室だよ…おれの事覚えてる…?」
「…………藤神だっけ」
「うん、ヒサクでいいよ」
不安げな声から一変、名前を言うと嬉しそうな声音に変わった。
「雪路くんだよね?雪って呼んでいい…?」
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