開店

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薄く光を放つ看板に誘われるように一人の男性がドアノブへと手を伸ばす ノブを回すとカチャリと軽い音が鳴り扉をゆっくりと押し開けた 店内を見回すと裸電球が2個、天井から吊され仄かな光を撒き散らしている 薄暗い部屋の真ん中には机を挟み椅子が二つ、向かい合わせに置かれているだけで殺風景と言えた コツ…コツ… 人の気配がなかったはずの暗がりから突然足音がして男性は振り向いた 『ようこそおいで下さいました』 足音の主は見た目は二十歳そこそこのように思えるが醸し出す雰囲気は威圧感を感じる程に落ち着き払っていた 足音の主…タキシード姿の男が礼儀正しく深くお辞儀をする
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