正夢枕

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「あんたはもっと女の子らしかったら、モテたんだろうけどねぇ。」 そういえば彼氏出来たとか言ったことなかったな。 大丈夫です。 伊達にませてませんから。 「それよりその枕。汚いからさっさと新しいの買いなさいって言ってるでしょ。」 お母さんに言われ、私は枕を見ました。 確かにその通りだと思いました。 枕のピンク色が、妙に汚さを演出しています。 「だってお金ないんだもーん。なんとかしてよ。」 お母さんには、若干強気な態度を取ってしまいます。 これが反抗期というやつですか。 「仕方ないわねぇ。今日中に買ってきなさいよ。」 そう言って財布から千円札を取り、渡してくれました。 ゛もっとお金頂戴よ。゛ この時そう思ったのを、覚えています。
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