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「本当に、もう春ですよねぇ」
「早いわよね。
そういえば、シンはもう日本に?」
思い出したように顔を上げた桐華に、まりあは「はい」と頷いた。
「シンからメールが入ってました。
高校にも通い出したみたいですよ。『平凡な僕には普通の高校がしっくり来る』なんて言ってましたよ」
「あの子は控えめでほのぼのとした子だものね」
「あっ、そしてコロンちゃんが大きくなっていてビックリしたって言ってました」
「コロン?ああ、犬のことね。犬の成長は早いものね」
サラリと言った桐華に、まりあは、もう、と頬を膨らませた。
「犬だなんて、コロンちゃんって言ってくださいよ」
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