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「そういえば、まりあはその犬の言葉が分かったって言ってたわよね?」
「だから犬って……」
と、肩をすくめつつ、
「分かるまでいきませんが、帰りがけにコロンちゃんに挨拶した時に、『想い』みたいなのが伝わって来たんです」
と話を続けたまりあに、桐華は、「へぇ」と腕を組んだ。
「それじゃあ、街で散歩している犬の気持ちも分かるの?」
「いえ、私に向かって意思を発信していたら、分かることもあると思うんですけど、それ以前に今は本当に何も分からなくて。
それに、コロンちゃんの想いを感じたのを最後に、まったく何も感じなくなったんです」
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