第3話 『交 差』

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けだるげにリビングに姿を現わしたのは、三十代半ばの悲愴なほどに痩せた女性。 明るい金髪に整った顔立ちだったが、その悲愴感から美しさは感じられなかった。 こちらをチラリと見て、見たくないものを見たような顔付きをした。 ダイニングテーブルの椅子に座って、ハーッと大きく溜息をつき、ボソボソと嘯く。 いつも同じ言葉を。
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