第7話 『求 愛』

25/56
20877人が本棚に入れています
本棚に追加
/722ページ
『ありがとうございます、私はここで本当に素晴らしい経験をさせてもらいました。 最後のステージは全力で、私のすべてを出し切りたいと思います』 強い口調でそう言って笑顔を見せたまりあに、セーラは、そうね、と頷いた。 『そして一つだけお願いがあるんです』 『お願い?』 『私の引退を今は大々的に謡わないでほしいんです。 夏のショーが終わった後は、きっとクリスマスの二周年パーティまで大きなイベントはないと思うんです。 それまで敢えて謡わず、伏せておいて欲しいんです』 『どうして?』 と身を乗り出したセーラに、まりあは弱ったように眉を下げた。
/722ページ

最初のコメントを投稿しよう!