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『ありがとうございます、私はここで本当に素晴らしい経験をさせてもらいました。
最後のステージは全力で、私のすべてを出し切りたいと思います』
強い口調でそう言って笑顔を見せたまりあに、セーラは、そうね、と頷いた。
『そして一つだけお願いがあるんです』
『お願い?』
『私の引退を今は大々的に謡わないでほしいんです。
夏のショーが終わった後は、きっとクリスマスの二周年パーティまで大きなイベントはないと思うんです。
それまで敢えて謡わず、伏せておいて欲しいんです』
『どうして?』
と身を乗り出したセーラに、まりあは弱ったように眉を下げた。
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