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「もういいわ、本来の姿に戻って貴方を絶対に石に変えてあげる。」
「強制的に石にできるなら最初からそうした方がよくなかった?」
「私はあの姿が醜くて嫌いなの、だからこのスキルがあって本当によかったと思ってたのよ。」
そういいながら変身しようとする蛇女だけど、その変身を待つ奴なんて誰もいないだろ・・・普通なら。
「早く変身しろよ、せっかく待ってあげてるんだから。」
だが俺は変人だから待ってあげるんだ、俺ってば優しいね。
「マスター、攻撃するなら今しかないのではないか?」
「たぶん今しかないと思うけど、やっぱり変身してる時は待ってあげないとね。」
「・・・やはりマスターにする者を間違えたのかもしれぬな。」
「大丈夫だって、俺にも策はあるんだからさ。」
昔の人はこう言ってたじゃないか、『ゴーゴンを倒すには、鏡を使え』ってね。
お、変身も終わって目からビーム出そうとしてますねぇ。
俺は鏡の後ろに隠れて様子を見ていると、とうとう目からビームが発射され
「なんということでしょう・・・鏡が石になっちゃいました。」
「まさかそれが考えていた策ではないだろうな。」
「いやいや、俺の世界ではこれでゴーゴンが石になって終わるんだよ!?ルール守れよ蛇女!」
「そう言われても、これが現実なのよ?」
「現実は残酷なんだな、これで一つ勉強になったよ。」
「関心しとる場合ではない!次の攻撃が来るぞ!!」
ハクの呼びかけで、ようやく気付く事ができた俺は回避する。
「あぶなかった、あと少し遅れてたら石になってたな。」
「なにを言っているのかしら?貴方の右腕が石になってるじゃない。」
「何をバカなことを・・・ホンマや!?」
初めて片腕が石になったけど・・・あんまり重くないし、なんかギブスで固定された感覚だな。
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