蔓延った世界

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「わースゴいイイ天気ー。」 カテーンを強く開けると眩しい光が差しむ。 眩しすぎてぎゅっと目を瞑ってしまう。 細く蒼い綺麗な髪が陽に透け揺れる。 「オリビアーどこー?ご飯だよー。」 机の下や家具の隙間などを探し回っている。 やがてにゃーと声が上の方から聞こえてくる。 真っ白で毛波の綺麗な猫だ。 「テノールのご飯入れとくね。」 窓から差こむ光を受けて銀色に輝く金網。 その金網とは鳥籠だ。 鳥籠の中には淡いレモン色をしたカナリア。 貰った菜っぱを美味しそうに食べている。 「じゃあ、いってくるね。」 バタンッ ドアが閉まり、事務所はまた静かになった。
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