プロローグ

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プロローグ

自分を、意識しだしたのは いつからだろう? 『人とは、違う感覚で生きている?』 『なんだか、この世は生きにくいんじゃないか?』 そんな風に感じ出したのは・・・ いくつくらいの時からだったんだろう? よっぽど親しい間柄でもなけりゃ、はらを割った話はできないし。 よしんば話せたとしても、到底理解されるとも思わない。 変わり者扱いは、されたくないから 言わなきゃバレないから、黙っていよう・・・そんな風に決め込んでいた。 今風に言えば「中二病?」「電波ちゃん?」ってとこか。 早々に、大人に嫌気がさして 親にも良い子のフリで、本音は横向いて舌だしてた。 どうせ、誰にもバレやしないさ。本気でそう思っていた。 そう、あんなことがあるまでは・・・。 ……………… 「はぁ~」 何度目のため息だろう。 俺は本気で絶望していた。 『もうダメだ』なんてのは、それまでにも感じたことのある感覚だったし、そんな風に感じていても『なんとか』乗り越えてきたし、自信もあった。 誰かがなんとかしてくれるんじゃないかなんて、甘い期待もなかった訳じゃない。 実際、文句を言われることを我慢すりゃ、大概のことはなんとかしてもらった気もする。 口ばっか達者で、行動力が伴わない。そんな自分に嫌気がさすときもあったが、喉元過ぎればなんとやらだった。 二十歳前後の若者を代表する訳じゃないが、みんなそんなもんじゃね?人に迷惑かけなきゃ上等だろ? とか、内心開き直ってた。 良くも悪くもない人生。 人と比べてもしょうがないし、俺が納得してりゃいいじゃん。 生かされてる気も、生きてる充実感も感謝もない。 そんなの本気で考えたら、やってらんねぇだろ? みんなそんなもんじゃん。 俺だけじゃねーもんな。 とか、うそぶいてたんだ。 それでも良いはずだった。 子供の頃に感じてた孤独は、人に合わせて誤魔化して。 問題ないはずだったのに… 今にして思えば、自分に嘘はつけないっつうか、人生に蹴り出されたっつうか… 試練はいきなりやってきやがった。 「嘘だろ~洒落になんねぇな…」 愚痴ってみても、誰かのせいにしてみても、自分を反省しても状況は変わらないんだが… 打開策が見つからない俺は、ひとりで悶々とするしかなかったのだった。
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